ウェス・アンダーソン特集@『ユリイカ』その他


渡邉大輔です。
最近の仕事です。

・論考「移動と平面――ウェス・アンダーソンの映画史」(『ユリイカ』6月号、青土社
・「ウェス・アンダーソンフィルモグラフィ」(同上)

目次。

ユリイカ 2014年6月号』 


■人生に関する断章*30
  ケヤキあるいは樹木について / 中村稔

■詩
  運河の練習生 Amsterdam,2007 / 石田瑞穂

■耳目抄*321
  言葉と酒 「父 吉田健一」を読む / 竹西寛子

■屋根裏の私の小さな部屋♪7
  かえりみち / 大庭賢哉

■特別掲載
  「らしい」建築批判 4 / 飯島洋一




ウェス・アンダーソン  『グランド・ブダペスト・ホテル』へようこそ!

【インタビュー#01】
伝説のコンシェルジュを演じて / レイフ・ファインズ 聞き手=金子裕子


グランド・ブダペスト・ホテル』の革新】
「失われた世界」への旅 『グランド・ブダペスト・ホテル』についての四つの断章 / 篠儀直子
感嘆すべき優美さをもって ウェス・アンダーソンフランソワ・トリュフォー / 大久保清
移動と平面 ウェス・アンダーソンと映画史 / 渡邉大輔


【インタビュー#02】
グランド・ブダペスト・ホテル』の冒険 / ウェス・アンダーソン 聞き手=金子裕子


【対談】
テキサスの謎 ウェス・アンダーソンのサスペンス性をめぐって / 蓮實重彦 三浦哲哉


ウェス・アンダーソンの倫理】
メリエス的な、フィクションの記述 / 三浦哲哉
ファンタスティック Mr.アンダーソンの後悔と正義 / 佐々木 敦


【インタビュー#03】
八時間のスープ 友人ウェスと、撮影秘話 / 野村訓市


【エッセイ】
理性から野生へ アニメーションの動物的無時間の世界 / 山村浩二
イッツ・ア・ワイズ・チャイルド あるいは、あらかじめ与えられたものたちの苦悩 / 郄城晶平
はしごして、うぇすして、さかのぼって。 / 藤田貴大
ちいさな世界を覗く魔法 / 名久井直子


【宝箱のなかの物語】
映画における服飾的細部と着崩される文体(スタイル) / 小澤京子
方法としての「父性」 / 斎藤 環
コンパートメント ウェス・アンダーソンの箱 / 小澤英実


サウンドスケープエスケープ】
ジングル・ジャングル・モーニング ウェス・アンダーソンサウンドデザイン / 大和田俊之
イッツ・ア・ワイズ・チャイルド あるいは、あらかじめ与えられたものたちの苦悩 / 郄城晶平
ディス・イズ・アワー・ランド! ウェス・アンダーソンのマスタープラン / 宮代大嗣


【資料】
ウェス・アンダーソンフィルモグラフィ / 渡邉大輔



■今月の作品
  武田祐子・野本篤美・群昌美・青木由弥子  選=日和聡子


■われ発見せり
  「天国へのお引越し」のお手伝い / 篠倉正信

・書評「「制御」という怪物を読み解く人文学の達成――北野圭介『制御と社会』書評」(『週刊金曜日』第990(5月9日)号、株式会社金曜日)

制御と社会: 欲望と権力のテクノロジー

制御と社会: 欲望と権力のテクノロジー

・書評「「残念」な2010年代鋭く見通す――さやわか『一〇年代文化論』書評」(『週刊金曜日』第992(5月23日)号、株式会社金曜日
一〇年代文化論 (星海社新書)

一〇年代文化論 (星海社新書)

6/19CINEPOSIUM#03「『一〇年代文化論』刊行記念トークイベント 「一〇年代文化」は語れるか!?――「ソーシャル」と「残念」から語る僕らのゼロ〜10年代」


渡邉大輔です。
1ヶ月後の6月19日(木)20時から、Ustream無料配信トークイベントの第3回を配信します。
今回のゲストは、なんと、現在新著『一〇年代文化論』(星海社新書)が話題沸騰中の評論家、さやわかさんと、『ゼロ年代の論点』(ソフトバンク新書)『ソーシャル化する音楽』(青土社)の著者で文芸・音楽評論家の円堂都司昭さん!

さやわかさんとは、今年の1月にゲンロンカフェでジブリアニメについてのトークイベントで呼んでいただき、円堂さんとは、昨年4月に、『ソーシャル化する音楽』刊行記念イベントで、これも現在、『初音ミクはなぜ世界を変えたのか?』(太田出版)でブレイク中の柴那典さんと鼎談をさせていただきました。どちらもたいへん盛況だったイベントですが、今回はその延長戦の意味も含めて、ゼロ年代から2010年代のポップカルチャーと文化批評について語りあいたいと思います。

詳細は以下です。KINEATTICの公式サイトで情報をご確認ください。
http://www.kineattic.com/cinepo03#info
関連書籍はこちら。

一〇年代文化論 (星海社新書)

一〇年代文化論 (星海社新書)

ソーシャル化する音楽 「聴取」から「遊び」へ

ソーシャル化する音楽 「聴取」から「遊び」へ

イメージの進行形: ソーシャル時代の映画と映像文化

イメージの進行形: ソーシャル時代の映画と映像文化

シネポvol.3
円堂都司昭×さやわか×渡邉大輔「『一〇年代文化論』刊行記念トークイベント「一〇年代文化」は語れるか!?――「ソーシャル」と「残念」から語る僕らのゼロ〜10年代」日時:6月19日(木)20時〜
ゲスト:円堂都司昭(文芸・音楽評論家)さやわか(ライター、評論家)
司会進行:渡邉大輔(批評家、映画史研究者)



 「3・11」(東日本大震災)という決定的な「断絶」から幕を開け、また「東京オリンピック」という超歴史的イベントで幕を閉じることがあらかじめ予告されている、奇妙なディケイド――2010年代。
 オタクとアーキテクチャの「ゼロ年代」が終わり、新たなディケイドに入ってすでに4年。文学から映画、音楽、ネット、そしてアイドルやゲームといったサブカルチャーにいたるまで、ゼロ年代の流れを引き継ぎつつもまた新たな文脈を伴った動きが文化や社会のいたるところで見え始めている。また、そうした潮流を追う新世代の論客もここ数年で次々に登場し始めた。
 文化としての「10年代」はいま、少しずつ見えつつある。
 果たして、2014年のいま、「10年代文化」を語ることは可能なのか?そして、そこから見たとき、かつての熱狂の中にあった「ゼロ年代」とは、どんなふうに語りえるのだろうか?
 そんな問いに真っ先に応える著作として刊行された、文化批評の領域でもっとも注目を集める書き手のひとり、さやわかの『一〇年代文化論』(星海社新書)が、いま熱い支持をもって迎えられている。
 90年代末からサブカルチャーの第一線に身を置いて時代の動向を取材し続け、近年、矢継早に刊行した『僕たちのゲーム史』(星海社新書)『AKB商法とは何だったのか』(大洋図書)などの著作で新たな文化批評の担い手として絶大な支持を得ているさやわか氏。
 今回のCINEPOSIUMは、そのさやわか氏にもっともふさわしい対論者を迎えて、ここ十数年の文化動向を幅広く俯瞰しつつ、「10年代の文化(を語ること)」の可能性を徹底的に語り尽くす。
 迎えるのは、本格ミステリ論集『「謎」の解像度』(光文社)で日本推理作家協会賞本格ミステリ大賞のW受賞を果たし、その後も『ソーシャル化する音楽』(青土社)『ディズニーの隣の風景』(原書房)など、ミステリから音楽、ネット、消費社会論にいたるまで独自の視点から広範な批評活動を展開する円堂都司昭。円堂氏には、先行して『ゼロ年代の論点』(ソフトバンク新書、2011年)の著書があり、同書はゼロ年代文化論壇の多様な問題系を明確な視点で整理し、高い評価を得た。
 縦横に時代を観測してきたふたりの論者に加え、まさにゼロ年代半ば(2005年)に批評家デビューし、10年代初頭(2012年)に初の単著を刊行した「時代の申し子」(笑)渡邉大輔をホストに、『一〇年代文化論』を中心にして、いまあるべき文化批評の姿についてゆるく、アツく語る!!


さやわか|ライター、評論家。1974年生まれ。『クイック・ジャパン』『ユリイカ』等で執筆。『朝日新聞』ほかで連載中。関心領域は物語性を見いだせるもの全般で、小説、漫画、アニメ、音楽、映画、演劇、ネットなどを幅広く評論。著書に『僕たちのゲーム史』『AKB商法とは何だったのか』、近著に『一〇年代文化論』(星海社新書)がある。

円堂都司昭(えんどうとしあき)|文芸・音楽評論家。1963年生まれ。日本の小説、ロックやJ-ポップ、批評などを横断的に考察する。新本格ミステリを論じた『「謎」の解像度』で日本推理作家協会賞本格ミステリ大賞を受賞。著書に『ゼロ年代の論点』『ディズニーの隣の風景』『エンタメ小説進化論』『ソーシャル化する音楽』などがある。

※本イベントはKINEATTICのUSTREAMチャンネルにて配信されます

最近の仕事


渡邉大輔です。
もう出てしまったものも含めて、最近の仕事の告知です。
まず、直近のもので、今週28日発売の『ユリイカ』のマーベル映画特集で原稿を書いています。
・論考「ディジタル・ヒーローの倫理的身体――マーベル映画とディジタル表現のゆくえ」(『ユリイカ』5月号、青土社

目次はこちら。

■人生に関する断章*29
  京極夏彦遠野物語remix』について / 中村稔

■詩
  白不在音 / カニエ・ナハ

■耳目抄*320
  花の時に / 竹西寛子

■特別掲載
  「らしい」建築批判 3 / 飯島洋一

  みてきたものを超えていく 日仏マンガ作戦会議 / バスティアン・ヴィヴェス今日マチ子




マーベル映画  『X-MEN』『スパイダーマン』『アイアンマン』から『アベンジャーズ』、そして『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』へ

【ヒーローの条件】
「マーベル映画」から「映画」へ 『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』の革新 / 中島かずき+杉山すぴ豊
キャプテン・アメリカ、あるいはグローバル資本主義と自己言及化するスーパーヒーロー・ジャンル / 吉本光宏
ディジタル・ヒーローの倫理的身体 マーベル映画とディジタル表現のゆくえ / 渡邉大輔
スパイダーマンバイセクシャルになりえるか / 光岡三ツ子


【コミックスが映画を変える!】
マーベル映画の黎明期 コミックから映画への翻訳 / 小野耕世石川裕人
スーパーヒーローたちの映画圏 / 小野耕世
映画の素材としてのコミックブック マーベルコミックスを主軸に / 石川裕人
マーベル映画はなぜ「マーベル」映画なのか? / 小田切
X‐メン 増殖と拡大を続ける新人類たち / 堺 三保


【アーマーデザインの革命】
パンツとマントとツノはヒーローの象徴だ! リアリティとアイコン性をめぐって / コヤマシゲト 柳 亨英
虚構にリアリティを持たせた「アイアンマン」のデザイン論 / 石井 誠
アベンジャーズへの道 史上最大のスーパーヒーロー映画シリーズ / 柳 亨英


【エッセイ】
ジョス・ウィードン 変奏と変化 / 佐藤哲也
映画『アベンジャーズ』と帰納的世界観 / 海法紀光
マーベル映画『ハルク』について / リタ・ジェイ


【マーベルの試行錯誤】
ブラック・スーパーヒーローの旗頭 吸血鬼ブームと映画『ブレイド』 / 風間賢二
ハワード・ザ・ダック/暗黒魔王の陰謀』とマーベル実写化暗黒時代 / 中沢俊介


【映画という新しい神話】
北欧神話の雷神ソールと『マイティ・ソー』 / 伊藤 盡
二一世紀マーベル・ユニヴァースにおけるロキの変貌 古典的スーパーヴィランから「セックス・シンボル」へ / 鷲谷 花


マーベル・シネマティック・ユニバースの未来】
マーベル映画最新情報 / 杉山すぴ豊


【作品ガイド】
マーベル映画の時代 膨張し続けるユニバース / 光岡三ツ子



■今月の作品
  武田祐子・堺俊明・野本篤美  選=日和聡子


■われ発見せり
  Funori? / 福岡安都子

・エッセイ「スタジオジブリの「語りにくさ」」(『すばる』5月号、集英社

すばる 2014年 05月号 [雑誌]

すばる 2014年 05月号 [雑誌]

・論考「初期東映動画における教育映画の位置――主に国際化路線との関わりから」(『演劇研究』第37号、早稲田大学坪内博士記念演劇博物館)
enpaku 早稲田大学演劇博物館 | 演劇研究 第三十七号
・書評「哲学と科学がいきいきと動き出す――郡司ペギオ幸夫『いきものとなまものの哲学』書評」(『週刊金曜日』第985(3月28日)号、株式会社金曜日)

4/17CINEPOSIUM#02〜「以後」のシネマに向けて―2010年代の映画/批評の可能性〜


Ustream配信トークイベントの告知です。
1月に批評家・佐々木敦さんを迎えて第1回を始めた企画ですが、4月17日(木)20時から、第2回をやりたいと思います。
今回のゲストは、映画評論家の三浦哲哉さんと萩野亮さん。
おふたりとは、ちょうど1年前に、三浦さんの主宰している上映イベントのアフタートークでご一緒させていただいたのですが、今回、改めてまたおふたりと2010年代の映画と映画批評についてお話することになりました。
http://www.kineattic.com/page02.html

シネポvol.2
萩野亮×三浦哲哉×渡邉大輔「ソーシャル・シネマ2.0――2010年代の映画/批評の可能性」
日時:4月17日(木)20時〜
ゲスト:萩野亮(映画批評家、『neoneo』編集委員立教大学非常勤講師)三浦哲哉(映画批評/研究、「Image Fukushima」実行委員会代表、青山学院大学准教授)
司会進行:渡邉大輔(批評家、映画史研究者)

 世界的なディジタル化(フィルムレス)の動向をはじめ、動画サイトの台頭、インディペンデント映画の隆盛、映画館のライブハウス化、アジアや東欧映画への注目、ドキュメンタリーの多様化、映画研究の「大学化」……などなど、2000年代の終わり頃から、「映画」をめぐる状況がかつてなく大きく変わりつつある。また、それに伴い、映画を語る言葉(批評)もまた、変化を遂げつつある。その動きは2011年の「3・11」以降、日増しに加速しているようにも思える。
 その中で、大きな社会的動向を見据えながら、新たな展開を模索する新しい世代の書き手が現れつつある。
 サスペンス映画を中心とした映画研究の傍ら、『キネマ旬報』『ユリイカ』などで精力的に新作レビューや映画評を手掛けつつ、さらにここ数年は福島第一原発事故の衝撃を受けて立ちあがった全国的な映画上映イベント「Image Fukushima」のオルガナイザーとしても多方面から注目を集めている三浦哲哉。
 同じくドキュメンタリーを中心に、映画や演劇など幅広く批評する書き手であるとともに、近年は世界的にも珍しいドキュメンタリーカルチャー批評誌『neoneo』の中心的な編集委員としても活躍する萩野亮。
 そこに、やはり同じく映画・映像をめぐる文化批評を手掛ける渡邉大輔が司会役として加わる。
 この三者は、昨年3月の「Image Fukushima」での出演以来、約1年ぶりの顔合わせとなる。三者は奇しくも、同じ2012年に、『ソーシャル・ドキュメンタリー』(萩野)『サスペンス映画史』(三浦)『イメージの進行形』(渡邉)という著書(編著書)を刊行した経緯もあるが、世代の近い映画批評の担い手として、また、書き手、講師、編集者、運動組織者……など多様な立場から、ようやく形が見え始めた21世紀=2010年代の映画(批評)シーンについて、改めて縦横に展望する。


萩野亮
1982年生れ。映画批評。ドキュメンタリーカルチャーマガジン「neoneo」編集委員立教大学非常勤講師。編著に『ソーシャル・ドキュメンタリー 現代日本を記録する映像たち』(フィルムアート社)、共著に『アジア映画の森 新世紀の映画地図』『アジア映画で〈世界〉を見る 越境する映画、グローバルな文化』(以上作品社)など。

三浦哲哉
1976年生まれ。映画批評/研究、表象文化論青山学院大学文学部比較芸術学科准教授。福島をめぐる映像上映プロジェクトImage.Fukushima実行委員会代表。「キネマ旬報」「ユリイカ」「nobody」等に映画評論を寄稿。著書に『サスペンス映画史』(みすず書房、2012年)、共著に『ひきずる映画』(フィルムアート社、2011年)、訳書に『ジム・ジャームッシュ・インタビューズ』(東邦出版、2006年)。

久しぶりに三人で話せるとあり、僕自身もとても楽しみです。
「映画の現在と未来」を展望できる鼎談になると思いますので、どうぞお楽しみに!

3/22連続講座「映画以内、映画以後、映画辺境」第2回@渋谷アップリンクそのほか


渡邉大輔です。どうも最近、ブログを書くのも面倒くさくなってしまいましたが…、最近の仕事の告知です。
とりあえず、明日、渋谷で以下のイベントに出ます。登壇者は映画監督の七里圭さんと映画評論家の吉田広明さんです。

連続講座 「映画以内、映画以後、映画辺境」

第1回 2014年2月2日 第2回 2014年3月22日

渋谷 アップリンク・ルーム
映画とは、何でしょうか? 昨今、何が映画で何は映画でないのか判然としなくなり、そんな問いかけさえ無効な状況が、なし崩しに進行しているような気がします。その起因は、きっと、デジタル化にある(いや、それだけではないかもしれない…)。映画がデジタルにすり替わってきたこの十年余りそこはかとなく違和感を抱きながらも、ぼんやり過ごしてきてしまいました。気がつけば何もかも情報化し、劣化しているようにも感じます。この際一念発起して、デジタル化された「映画」がどこへ向かおうとしているのか、あるいは「映画」とはそもそもどこからやって来たのか、その過去と未来を射程に入れながら、「映画」とは何なのか、この現在において考察する機会を持ちたいと思います。ああ、大変だ… [七里圭
2.「切断面がつながり続ける果てに――」

〜 日常へ拡張する「映画」のようなもの、”映像圏”をめぐって〜

スクリーンからソーシャル・メディアへ拡張する映画的なもの、日常に氾濫する映像イメージについて、”「映像圏」システム”という刺激的な論を展開する気鋭の研究者・批評家を迎え、デジタル化された「映画」の未来、「映像圏」の正体を探る。

2014年3月22日 土曜18時15分開演

渡邉大輔(映画史研究者・批評家)× 七里圭

渡邉大輔:1982年生まれ。現在、日本大学芸術学部跡見学園女子大学ほか非常勤講師。
著作に『イメージの進行形』(人文書院)、近刊共著に『アジア映画で< 世界> を見る』(作品社)がある。
吉田広明:1964年生まれ。著書に『B級ノワール論』、『亡命者たちのハリウッド』(共に作品社)。
キネマ旬報」で日本映画新作評、サイト「映画の國」で日本未発売の海外DVD紹介コラムを連載。

● 参考上映:詳細は、近日HPにて発表します。

料金:1200円均一
会場:渋谷 アップリンク・ルーム http://www.uplink.co.jp/
東京都渋谷区宇田川町37−18トツネビル2F Tel.03-6825-5503

連続講座 「映画以内、映画以後、映画辺境」 - イベント | UPLINK

七里さんと吉田さんと僕という組み合わせはかなり珍しいのではないでしょうか。明日はいろいろお話できればと思っています。

ちょっと前の原稿。

真利子哲也監督の新作『あすなろ参上!』についてのレビューを『neoneo web』に書きました。
・レビュー「「ローカル/アイドル」ドラマというケミストリー――『あすなろ参上!』に見るアイドルドラマの現在」
【Review】「ローカル/アイドル」ドラマというケミストリー――『あすなろ参上!』に見るアイドルドラマの現在 text 渡邉大輔 | neoneo web


週刊金曜日』に、村上裕一さんの『ネトウヨ化する日本』(角川EPUB選書)、『図書新聞』に、阿部潔さんの『監視デフォルト社会』(青弓社)の書評を書きました。

ネトウヨ化する日本 (角川EPUB選書)

ネトウヨ化する日本 (角川EPUB選書)

最近の仕事


渡邉大輔です。あっという間に2月も終わりです。
最近出た(出る)仕事を簡単に記しておきます。

恒例の『週刊金曜日』の書評では、1月から2月にかけて、内沼晋太郎さんの『本の逆襲』(朝日出版社)、ジョン・アーサー+マーティン・シングラー(中村秀之、河野真理江訳)『メロドラマ映画を学ぶ』(フィルムアート社)を取り上げました。

本の逆襲 (ideaink 〈アイデアインク〉)

本の逆襲 (ideaink 〈アイデアインク〉)

メロドラマ映画を学ぶ ジャンル・スタイル・感性

メロドラマ映画を学ぶ ジャンル・スタイル・感性

今週の『週刊金曜日』では、寺岡裕治編『映画はどこにある』(フィルムアート社)を取り上げています。
映画はどこにある インディペンデント映画の新しい波

映画はどこにある インディペンデント映画の新しい波

2月4日に、渋谷ヒカリエにて、第6回(最終回!)がありました。
ゲストは、白石晃士監督と、村松正浩監督。
Eating Out In Haltom City | CINEASTE 30
第2部のトークアーカイブがまだ観れるようです。⇒第6回『CINEASTE 3.0 −デジタル時代の映画作家たち−』トークイベント
2012年11月からやってきた大型イベントでしたが、今月無事にゴールまで辿り着きました。『映画はどこにある』も出たし、近年のインディペンデント映画シーンの活況に注目が集まっていますが、かなり画期的な上映イベントだったと思います。これについては、今後、また追い追い書いていきたいと思っています。

ついでに。
1月頭にゲンロンカフェでさやわかさん、ふみふみこさんとやったジブリイベントが記事になっていたようですー。
⇒<宮崎駿はセカイ系で高畑勲は鬼畜で鈴木敏夫は担当編集者?「ジブリ」の正体 - エキサイトニュース/span>

1/26、27、30トークイベント関連3本あります


あけましておめでとうございます。渡邉大輔です。今年もよろしくお願いいたします。
さて、五月雨式に、直近のイベント3本の告知です。

まず、1月26日(日)に、映画美学校試写室で開催される『アジア映画で<世界>を見る』(作品社)の刊行記念イベントに出演し、アピチャッポン・ウィーラセタクンメコンホテル』の上映後に、福間健二さんとトークします。

アジア映画で〈世界〉を見る――越境する映画、グローバルな文化

アジア映画で〈世界〉を見る――越境する映画、グローバルな文化

公式サイトはこちら⇒http://www.athenee.net/culturalcenter/program/as/sekai.html

特集 アジア映画で〈世界〉を見る

2014年1月26日(日)・2月2日(日)
会場:映画美学校試写室


メコンホテル


石の賛美歌


THE DEPTHS

評論集「アジア映画で〈世界〉を見る 越境する映画、グローバルな文化」(作品社)刊行記念。重要作品の上映とトーク、講義、シンポジウムによる各プログラムから、アジア映画の境界線を多角的に探っていきます。


「アジア映画で<世界>を見る 越境する映画、グローバルな文化」(作品社刊)は、「映画」と現実の「世界」の関係性を問題にしている。ここでは、それをさらに発展させ、アジアで最も先鋭的な監督、アピチャッポン・ウィーラセタクンに関して、本書の執筆者二人が異なる視点からトークを行う。また本書のキーワードの一つである「政治性」という観点から、イスラエル映画史についての講義と、パレスチナ映画に関するトークを行い、対立する国家の映画表象から何が炙り出されるのかを探る。エドワード・ヤンのシンポジウムでは「過去の映画を読み直す」こと、また演劇批評家と映画監督という異種混合のセッションによる多角的な検討が、その全体像を豊かに照らし出すだろう。それらを統べる編者三人でのトークは、本書で行った様々な試みを検証する。それぞれが、アジア映画を通して「世界」を捉え直し切り拓く試みとなるはずだ。
夏目深雪(批評家)



■上映スケジュール
1月26日(日)
13:00-上映「メコンホテル」(61分)
 +トーク「アピチャッポンの亡霊(ファントム)」:福間健二、渡邉大輔
15:30-講義「徹底・即解 イスラエル映画史」:四方田犬彦
18:30-シンポジウム「エドワード・ヤン以前/以後」:筒井武文、森山直人、舩橋淳

2月2日(日)
13:00-上映「メコン・ホテル」(61分)
14:30-上映「石の賛美歌」(105分)
 +トークパレスチナの映画と現在」:土井敏邦、金子遊
17:45-上映「THE DEPTHS」(121分)
 +トーク「アジア映画の境界線」:石坂健治、野崎歓、夏目深雪

■プログラム



メコンホテル

プログラム1
「アピチャッポンの亡霊(ファントム)」

上映:「メコンホテル」2012(61分)監督=アピチャッポン・ウィーラセタクン
トーク福間健二(詩人・映画作家)、渡邉大輔(映画批評家

メコンホテル』は物議を醸す、多面体のような映画である。アピチャッポン映画ではお馴染みの怪異について、本書で渡邉大輔氏はアジアを跋扈しながら緩く繋ぐ「亡霊」の一変種であると論じ、福間健二氏はそこに「アジアを超えたいアジア」を見出す。気鋭の映像論者と詩人・映画作家との語らいは、アピチャッポンについての新たな視座を拓くであろう。(夏目深雪)


プログラム2
「徹底・即解 イスラエル映画史」

講義:四方田犬彦(映画研究者)
※参考上映(抜粋):「さまよえるオデッド」(1932/監督=ハイム・ハラフミ)「月に空いた穴」(1965/監督=ウリ・ゾハール)■ビデオ上映/英語字幕付き・日本語字幕無し

いまイスラエル映画を観るとはどういうことか。四方田犬彦が、イスラエルの国家成立の根底にあるシオニズムがいかにスクリーンに表象されたかを検討する。パレスチナ時代の最初の劇映画『さまよえるオデッド』と、国家成立後にシオニズムを軽妙に風刺した『月に空いた穴』を部分上映し、イスラエル映画史を概括する。(四方田犬彦


プログラム3
エドワード・ヤン以前/以後」

シンポジウム:筒井武文映画作家)、森山直人(演劇批評家)、舩橋淳映画作家

死後も愛され続けるエドワード・ヤンの映画。本書では、「古典」「演劇」というキーワードで、演劇批評家の森山直人氏がヤンの映画に新たな光を当てている。今回は、筒井武文監督と、ヤンの映画作りに多大な影響を受けているという舩橋淳監督を迎え、初期から後期への主題や映像の変化を見ながら、ヤンが変えたのは一体何かを探る。(夏目深雪)



石の賛美歌

プログラム4
パレスチナの映画と現在」

上映:「石の賛美歌」1990(102分)監督=ミシェル・クレイフィ
トーク土井敏邦(ジャーナリスト・映画作家)、金子遊(映像作家・批評家)

パレスチナ映画とは抵抗の歴史である。イスラエル占領下で出会い、投獄され、再会する男女の愛の物語に、インティファーダの記録映像が交錯する『石の賛美歌』を上映。ジャーナリストであり、『沈黙を破る』等の映像作品も手がけた土井敏邦監督と、本書でパレスチナイスラエル映画論を執筆した金子遊が、パレスチナ映画を論じる。(金子遊)



THE DEPTHS

プログラム5
「アジア映画の境界線」

上映:「THE DEPTHS」2010(121分)監督=濱口竜介
トーク:石坂健治(映画研究者)、野崎歓(フランス文学者)、夏目深雪(批評家)

アジア映画を捉え直すということは、その境界線を探ることだ。編者の三人が、自身のアジア映画歴を振り返り、本書で行った様々な試みを検証しながら、「アジア映画がどこに行くのか」を語り合い、未来に拓くための提言をする。上映は、夏目深雪の論考で国際共同製作の例として挙げられている濱口竜介の『THE DEPTHS』。(夏目深雪)

そして、翌27日(月)、僕が非常勤講師を務めている日本大学芸術学部映画学科の他学科公開講義「映画特講3」(江古田校舎、4限)の中で、映画批評家の萩野亮さんの特別講義+トークセッションを行ないます。
以下概要です。モグリ可能なので、関心あるかたはどうぞ。
萩野さんのTwitterhttps://twitter.com/ryohagino

映画学科特別講義
映画特講Ⅲ(他学科公開授業)1月27日 月曜4限(14時40分〜16時10分)

萩野亮氏 特別講義×トークセッション
「ドキュメンタリー化する現代――ドキュメンタリーカルチャーカルチャーの魅力」
 今年度の「映画特講Ⅲ」の授業では、後期を通じて、主に現代日本ドキュメンタリー映画が持つ映画史を含めた広い文化史的背景との関わりとその表現の変遷を、代表的な作品の鑑賞を通して講義してきました。
 ある意味で、映画史のはじまりと同時に産声をあげ、はるか今日までさまざまな変化を経ながら進化してきた「ドキュメンタリー」と呼ばれるジャンルは、しばしばいわれるように、映像表現やその受容環境が多面化、多様化した現在、かつてなくひとびとの注目を集めています。フィクション映画とは一線を画しながらも、「映画」というジャンルの深い核の部分に届くような独自の表現として紡がれてきたドキュメンタリーが、私たちに与える魅力の源泉とは何なのか、映画史にとってどのような意味を持つのか、そして、21世紀の映画文化にとってどのような影響をもたらしてゆくのか。
 今年度の授業の締めくくりとして、外部からのゲストスピーカーを招き、改めて実際の作品を鑑賞しながら、「ドキュメンタリーカルチャー」の魅力と可能性を考えてみたいと思います。

※特別講義は、冒頭、萩野亮氏による40分ほどのレクチャーのあと、講師の渡邉との対話という形式で進めていく予定です。

【ゲスト講師紹介】
萩野亮(はぎの・りょう) 氏
1982年生まれ。映画批評。ドキュメンタリーカルチャーマガジン『neoneo』編集委員立教大学大学院現代心理学研究科修士課程修了。現在、立教大学非常勤講師。「フレデリック・ワイズマンのすべて」などの上映カタログ解説や、『キネマ旬報』『映画芸術』などに、ドキュメンタリー、映画、演劇など幅広く批評や書評を執筆。編集主幹として2012年に創刊した『 neoneo』は現在まで3号を数える。編著に『ソーシャル・ドキュメンタリー――現代日本を記録する映像たち』(フィルムアート社、2012年)、共著に『アジア映画の森――新世紀の映画地図』(作品社、2012年)『アジア映画で<世界>を見る――越境する映画、グローバルな文化』(作品社、2013年)。

【講師】
渡邉大輔(わたなべ・だいすけ)
1982年生まれ。日本大学芸術学部映画学科非常勤講師。著作に『イメージの進行形――ソーシャル時代の映画と映像文化』(人文書院、2012年)、共著に『ソーシャル・ドキュメンタリー――現代日本を記録する映像たち』(フィルムアート社、2012年)『映画史を学ぶクリティカル・ワーズ(新装増補版)』(フィルムアート社、2013年)『アジア映画で<世界>を見る――越境する映画、グローバルな文化』(作品社、2013年)など。

さらに、30日(木)、20時から、佐々木敦さんと約1年ぶりに、新著『シチュエーションズ』をめぐって、Ustreamで対談します。
詳細はこちら⇒http://www.kineattic.com/cinepo01.html#info

2014.1.30 THU
CINEPOSIUM#1〜「以後」の震災・フィクション・アート

出演:渡邉大輔、佐々木敦

KINEATTICと映画批評家・渡邉大輔の共同主催によるUSTREAMトーク番組 "CINEPOSIUM"。
毎回、映画・映像分野を中心に多方面で活躍するゲストを迎え、2010年代のカルチャーシーンと話題のテーマについてアツく、
ゆるく、幅広くトークする隔月のWEB配信イベントです。

第1回は "CINEPOSIUM" 開催記念&佐々木敦『シチュエーションズ「以後」をめぐって』刊行記念として、
批評家の佐々木敦さんを迎え、"「以後」の震災・フィクション・アート" をテーマにトークを行います。

SCHEDULE:20:00

SCREEN:USTREAMにて生放送

CHARGE:無料

※本イベントはKINEATTICのUSTREAMチャンネルにて配信されます。

もろもろよろしくお願いします。