ここ最近の仕事まとめ+イベント告知


渡邉大輔です。すっかり秋ですね。
前回の8月のブログ更新からの仕事のまとめと、直近のイベントの告知です。

まず、イベントの告知。

来る11月17日(火)19時半からジュンク堂池袋本店で、『ビジュアル・コミュニケーション』刊行記念トークイベントを開催します。登壇者は、佐々木友輔さん、冨塚亮平さん、三浦哲哉さん、僕です。
http://www.junkudo.co.jp/mj/store/event_detail.php?fair_id=10543
以下が、イベント概要。

「「動画の時代」の「映画批評」はいかに可能か
ポストメディウム的状況を考える
『ビジュアル・コミュニケーション』(南雲堂)刊行記念トークイベント」
ジュンク堂書店 池袋本店
開催日時:2015年11月17日(火)19:30 〜
フェア・イベント一覧 開催店舗ページへ


佐々木友輔×三浦哲哉×渡邉大輔 (司会進行:冨塚亮平)

ここ最近、映画の世界は大きな変化を迎えている。誰でもスマホで「映画」っぽいものが
作れ、ネット上にはVine動画やゲーム実況など、いままで見たこともないような新しい
映像コンテンツが映画と肩を並べるようにして、活況を呈するようになりつつある。
『映画とは何か』(筑摩書房)など、映画の現在について先鋭な批評活動を繰り広げる
俊英・三浦哲哉氏をゲストに迎え、9月末刊行の評論集『ビジュアル・コミュニケーション
――動画時代の文化批評』(南雲堂)の内容を踏まえ、こうした「動画の時代」にかつての
「映画批評」はどのように対応していくべきなのか。『ゼロ・グラビティ』『親密さ』
『ルック・オブ・サイレンス』『THE COCKPIT』……などなど、数々の話題作を
素材に、そして映画誕生120年の現在、あらためて「映画」と「映像」の関わりについて
「映画批評」の観点から徹底的に語り合う。

【講師紹介】
佐々木友輔─ささき・ゆうすけ
1985年神戸生まれ。映像作家、企画者。近年の上映・展示に「反戦 来るべき戦争に
抗うために」展、第7回恵比寿映像祭、編著に『土瀝青―場所が揺らす映画』
(トポフィル)、論考に「二種類の幽霊、二種類の霊媒―揺動メディアとしての映画論」
(『ART CRITIQUE n. 04』所収、BLUE ART)など。

三浦哲哉─みうら・てつや
1976年福島県郡山市生まれ。東京大学大学院総合文化研究科超域文化科学専攻表象
文化論コース博士課程修了。現在、青山学院大学文学部准教授。博士(学術)。
専門は映画批評・研究、表象文化論福島県内外での映画上映プロジェクト
Image.Fukushima代表。主な著書に『映画とは何か: フランス映画思想史』(筑摩書房)、
『サスペンス映画史』(みすず書房)など。

渡邉大輔─わたなべ・だいすけ
1982年生まれ。映画史研究者・批評家。専攻は日本映画史・映像文化論・メディア論。
現在、跡見学園女子大学文学部助教日本大学芸術学部非常勤講師。著作に
『イメージの進行形』(人文書院)、共著に『日本映画史叢書15 日本映画の誕生』
(森話社)『見えない殺人カード』(講談社文庫)『ゼロ年代+の映画』(河出書房新社)
『ソーシャル・ドキュメンタリー』(フィルムアート社)『アジア映画で〈世界〉を見る』
(作品社)など多数。近刊共著に『日本映画の国際進出』(仮題、森話社)。

★入場料はドリンク付きで1000円です。当日、会場の4F喫茶受付でお支払いくださいませ。
※事前のご予約が必要です。1階サービスコーナーもしくはお電話にてご予約承ります。
トークは特には整理券、ご予約のお控え等をお渡ししておりません。
※ご予約をキャンセルされる場合、ご連絡をお願い致します。(電話:03-5956-6111) 

■イベントに関するお問い合わせ、ご予約は下記へお願いいたします。
ジュンク堂書店池袋本店
TEL 03-5956-6111
東京都豊島区南池袋2-15-5

さらに、11月19日(木)16時30分から、武蔵野美術大学でイメージ・ライブラリー第43回映像口座として、映画監督の濱口竜介さんと対談します。
イメージライブラリー

本講座は、劇映画とドキュメンタリーを往還しながら野心的なフィルムを発表している濱口竜介氏と、情報化やデジタル化以後の映画のありようを追究している渡邉大輔氏によるディスカッションです。

いたるところにカメラと映像が氾濫し、渡邉氏曰く「世界そのものが映画になりうる」かのような世界。ビッグバジェットの大作映画が話題を集める一方、小規模な自主映画や動画が乱立する二極化状況の中で、両者を貫く重要な概念として「ドキュメンタリー」を挙げることができるでしょう。歴史的な事件・事故の現場やかけがえのない個の生に立ち会わんとするドキュメンタリストの活躍はもちろんのこと、劇映画の現場でも、ドキュメンタリー・タッチやフェイクドキュメンタリーと呼ばれる手法が多用されるようになりました。また一方で、酒井耕・濱口竜介監督の『なみのおと』やジョシュア・オッペンハイマー監督の『アクト・オブ・キリング』など、劇映画の方法論をドキュメンタリーに持ち込む試みが注目を浴びたのも記憶に新しいところです。ではこのように、映画⇆世界、劇映画⇆ドキュメンタリー、フィクション⇆ノンフィクションといった循環(サーキュレーション)を通じて生まれる芸術表現にはいかなる可能性があるのか。その第一人者である濱口氏と渡邉氏に実作と理論の両面から語っていただきます。


【作品上映】
■2015年11月14日(土) 12:30〜16:55(開場 12:00) ※途中休憩有り
 『親密さ』 監督/濱口竜介、255分

■2015年11月19日(木) 15:30〜16:24(開場 15:00)
 『不気味なものの肌に触れる』 監督/濱口竜介、54分


【対談】
日時:2015年11月19日(木) 16:30〜18:30(『不気味なものの肌に触れる』上映後に座席の入替はいたしません。)
講師:濱口竜介(映画監督)、渡邉大輔(映画研究者)
会場:武蔵野美術大学/美術館ホール (お車でのご来館はご遠慮ください。)
参加方法:入場無料、予約不要 学外の方もご参加いただけます。
定員:約100名
(※会場がL字型のため、大型スクリーンの鑑賞に適した席は約60席のみとなります。講演に関しましては、どの席も問題なくご聴講頂けます。)
主催:武蔵野美術大学 美術館・図書館
問い合わせ先:イメージライブラリー

【講師プロフィール】
濱口竜介(はまぐち りゅうすけ)
1978年、神奈川県生まれ。東京大学文学部卒業後、商業映画の助監督やテレビの経済番組のADを経て、東京藝術大学大学院映像研究科に入学。2008年、修了制作『PASSION』がサン・セバスチャン国際映画祭や東京フィルメックスに出品され高い評価を得る。その後も地域やジャンルをまたいだ精力的な制作活動を続けている。現在は活動拠点を神戸に移して活動中。最新作『ハッピーアワー』はロカルノ国際映画祭にて最優秀女優賞受賞と脚本へのスペシャル・メンションを受けた。

■渡邉大輔(わたなべ だいすけ)
1982年、栃木県生まれ。映画史研究者・批評家。跡見学園女子大学文学部助教。主な著作に『イメージの進行形――ソーシャル時代の映画と映像文化』(人文書院、2012年)、『アジア映画で<世界>を見る――越境する映画、グローバル化する文化』(共著、作品社、2013年)、『ビジュアル・コミュニケーション――動画時代の文化批評』(編著、南雲堂、2015年)などがある。

どちらもよろしくお願いします。

さて、8月からの仕事のまとめ。

9月30日に、限界研の新刊が刊行されました。僕は、2本の論文と序論を寄稿しています。
・「序論 「映像」をめぐる新たな言葉の獲得のために」(限界研編『ビジュアル・コミュニケーション――動画時代の文化批評』、南雲堂)
・論考「「可塑性」が駆動するデジタル映像――「生命化」するビジュアルカルチャー」(同上)
・論考「スタジオジブリから「満州」へ――二hンアニメーションの歴史的想像力」(同上)

ビジュアル・コミュニケーション――動画時代の文化批評

ビジュアル・コミュニケーション――動画時代の文化批評

目次です。

コンテンツ


序論 「映像」をめぐる新たな言葉の獲得のために(渡邉大輔)

第一章  デジタル/ネットワーク映像の「思想」


「可塑性」が駆動するデジタル映像——「生命化」するビジュアルカルチャー(渡邉大輔)

第二章 「映画/史」の変貌


世界は情報ではない——濱口竜介試論(冨塚亮平)


三脚とは何だったのか——映画・映像入門書の二〇世紀(佐々木友輔)


スタジオジブリから「満洲」へ——日本アニメーションの歴史的想像力(渡邉大輔)

第三章 社会と切り結ぶ映像/イメージ


テレビCMとこれからの広告表現(蔓葉信博


防犯/監視カメラの映画史——風景から環境へ(海老原豊

第四章 ニューメディア/ポストメディウムのその先へ


拡張する「アニメ」——3DCGアニメ論(藤井義允)


ピクセル・ガーデンで、お散歩を——インディー・ゲームの美学(藤田直哉

第五章 科学とテクノロジーの地平


実験室化する世界—映像利用研究が導く社会システムの近未来(宮本道人)

第六章 ネットワークが生成する動画文化


野獣先輩は淫らな夢を見るか?——<真夏の夜の淫夢>概説(竹本竜都)



「ゲーム実況って何?」とか「何がおもろいの?」とか言ってる時代遅れのお前らに、バカでもわかるように解説してやるよ(飯田一史)


参照すべき映像・文献リスト

ユリイカ』と『文學界』にそれぞれ論考などを寄稿。
・論考「モノたちの喧騒の場――マンガの実写化が映画にもたらすもの」(『ユリイカ』10月号、青土社
・「マンガ×映画カルチャーを知るための解説と作品ガイド」(同上)

・「ディジタル映像と「モノ」のうごめき――現代ハリウッド映画から見るイメージの変質」(『文學界』11月号、文藝春秋
文學界

文學界

・「映画の“アトラクション化”はどう展開してきたか? 渡邉大輔が映画史から分析」(リアルサウンド映画部)
映画の“アトラクション化”はどう展開してきたか? 渡邉大輔が映画史から分析|Real Sound|リアルサウンド 映画部

そして、『週刊金曜日』の書評群。
・「「心の哲学」の世界的権威が鋭く見通すテクノロジーとの共生――アンディ・クラーク『生まれながらのサイボーグ』書評」(『週刊金曜日』第1053(8月28日)号、株式会社金曜日)

生まれながらのサイボーグ: 心・テクノロジー・知能の未来 (現代哲学への招待 Great Works)

生まれながらのサイボーグ: 心・テクノロジー・知能の未来 (現代哲学への招待 Great Works)

・「デジタル革命後の人文知を再定義――石田英敬ほか編『メディア哲学』書評」(『週刊金曜日』第1054(9月4日)号、株式会社金曜日)
デジタル・スタディーズ1 メディア哲学

デジタル・スタディーズ1 メディア哲学

・「「シェア」の未来を包括的に見通す一冊――『「シェア」の思想』書評」(『週刊金曜日』第1056(9月18日)号、株式会社金曜日)
「シェア」の思想/または愛と制度と空間の関係

「シェア」の思想/または愛と制度と空間の関係

・「「終末」と「再生」を繰り返す戦後日本の鮮やかな自画像――円堂都司昭『戦後サブカル年代記』書評」(『週刊金曜日』第1060(10月23日)号、株式会社金曜日)

・ワークショップ「ピエール・レヴィ理論の現代的射程――集合的知性、ポストメディアの美学」(社会情報学会大会、於・明治大学リバティタワー、2015年9月12日)