笠井潔解説@『ジャーロ』


渡邉大輔です。お仕事の告知です。
今日発売の『ジャーロ』に、先月発売された笠井潔さんの代表作<矢吹駆シリーズ>の実に9年ぶり(!)となる新作『吸血鬼と精神分析』(光文社)の小特集があるのですが、そのなかで、矢吹シリーズの解説文を12、3枚ほど書かせていただきました。

・解説文「笠井潔<矢吹駆シリーズ>解説」(『ジャーロ』vol.43)

枚数の関係もあり、評論というよりは、文字通りシリーズの「解説」を記した原稿です。矢吹シリーズの初読者の方にとっては、導入としてはわかりやすく要点をまとめた文章になっていると思いますので、大著『吸血鬼と精神分析』を読もうと思っているけど、シリーズをまとめて読むのは大変……と思っている方はぜひお読みいただければと思います。また、僕の原稿の前に掲載されている笠井さんと小森健太朗さんの対談もとても面白いですね!何気に僕は、『ジャーロ』は、これで3号連続して、つまり一年まるまるお仕事をさせていただいていることになります。ミステリプロパーではまったくない僕としては(とはいえ、今年はミステリ界隈で少なからず話題を振りまいてしまったようですが…)、自分でも意外です(笑)。
ご存じの方もすでに多いと思いますが、僕は評論デビュー以来、(デビューのきっかけは東浩紀さんでしたが)現在も継続している限界小説研究会などを通じて、笠井さんとは公私ともにずっとお付き合いさせていただいていて、きわめて大きな影響を受けてきました。いってみれば、僕にとっては、評論家としては笠井さん、映画研究者としては岩本憲児先生が「師匠」という感じです。笠井さんには、たんに知識のみならず、物書きとしてのスタンスも含めて影響を受けてきたと思っています。
そんな笠井さんの作家としての代表的なシリーズの解説を書かせていただいて、今回はとても光栄でした。
ちなみに、僕は、矢吹シリーズ第5作にあたる『オイディプス症候群』のノベルス版、文庫版と、『天啓の器』の創元推理文庫版にも巻末解説を寄せさせていただき、そこでもささやかな笠井潔論を記しているので、ご興味ある方は小説と併せてお読みください。
さらに、実はこれから都内某所で笠井さんとお会いするのですが、来年に向けて笠井さんも関係する、とあるプロジェクトが僕の周りで動き始めています。いずれ近いうちにお知らせできるかと思うのですが(というかどっかでアナウンスされるかもしれないけど)、これはなかなかアツいです。
笠井ファン、ミステリファン、映画ファンは、ぜひ楽しみにしていてください!