研究報告会@早稲田大学


渡邉大輔です。
今日、早稲田大学で2009年度から参加している日本映画史の共同研究拠点の研究報告会で発表してきましたので、仕事のメモ程度に。

・研究発表「『国際映画新聞』及び市川彩の言説における「国際性」」(早稲田大学演劇博物館演劇映像学連携研究拠点テーマ研究「日本映画、その史的社会的諸相の研究」2011年度第2回研究報告会、於・早稲田大学

小さな研究報告会でしたが、代表者の岩本憲児先生はじめ、古賀太先生、アーロン・ジェロー先生、土田環先生、アン・二先生、志村三代子先生、成田雄太氏などなど、予想以上に大勢の研究者の方々に聞いていただき、たいへん勉強になりました。
研究者としては、今後は、とりあえず戦時中の映画ジャーナリズムの言説を海外との比較も含めて検討することになりそうです。
批評活動と研究活動、これからもできるかぎり両立していけるといいのですが。
以下は、早稲田大学演劇博物館のウェブサイトに掲載された発表概要。

渡邊大輔(日本大学芸術学部非常勤講師)
「『国際映画新聞』及び市川彩の言説における「国際性」」
昭和初年から戦中期にかけて刊行されていた映画業界誌『国際映画新聞』における刊行者・市川彩の言説群について検討する。同誌は、日本における映画ジャーナリズム が確立され始めた時期に登場した、日本最初の本格的な「映画業界誌」であり、製 作・配給・興行など他方面に向けた記事が掲載されており、とりわけ映画館経営に関 するジャーナリズムに力を入れていた点が特筆されるが、他方で、その題名に「国 際」の文字を冠し、後に市川が『アジア映画の創造及建設』(1941年)という著作を 残していることからも窺われるように、同誌(そして市川)は、当時の映画国策の流 れとも連なりながら、国内外の映画を通じた文化的・政治的交流に関する言説を発信 していた。本発表では、そうした同誌と市川をめぐる言説の「国際性」の内実がどの ようなものだったのかを概観的に示したい。

この夏は、今日の発表内容を端緒に、学術論文をいくつかまとめねばなりません。