よいお年を&1/10トークイベント「ジブリアニメを語り尽くす!――「ナウシカ」から「かぐや姫」まで」@ゲンロンカフェ


渡邉大輔です。
晦日ということで、2013年最後のブログ更新。
2013年は、何と言っても、2012年末に刊行した初めての著書『イメージの進行形』(人文書院)を中心に、いろいろと変化のあった一年でした。

イメージの進行形: ソーシャル時代の映画と映像文化

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『イメ進』について、『図書新聞』『朝日新聞』やインディーズの同人誌から複数のインタビューをしていただいたり、「ゲンロンサマリーズ」や「Bookニュース」、『週刊読書人』などで円堂都司昭さんや金子遊さんらに書評していただきました。リブロ池袋本店さんや東京堂書店さんで選書フェアも実施していただきましたし、佐々木敦さんをお招きしての刊行記念トークイベントも盛況でした。週末研や立教大学大学院のゼミなどで『イメ進』の読書会も開催してもらいました。夏には、『映画芸術』による一件などもあり、いろいろ大変なこともありましたが、鈴木一誌さんなど私的に嬉しい感想をくださったかたも多く、総じて拙著と僕の問題意識は、映画クラスタを超えた幅広い領域で受け止められたのではないかと思っています。
今年は共著も3冊刊行しました。それぞれSF映画論、映画史キーワード集、アジア映画論と多彩な内容でした。
ポストヒューマニティーズ――伊藤計劃以後のSF

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映画史を学ぶ クリティカル・ワーズ【新装増補版】

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アジア映画で〈世界〉を見る――越境する映画、グローバルな文化

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今年はイベント出演も増えました。2月のアテネフランセでのワイズマン講演から夏休みの批評家養成ギブス、12月の日芸映画祭まで、月に平均1、2回はイベントに出ていたと思います。すっかり喋るのが仕事になってしまいました。
週刊金曜日』の書評委員も拝命しました。
研究の方面では日本マスコミ学会会員になり、10月に上智大学で赤上裕幸さんと映画教育史のワークショップをやったりしました。
新しくもった日本大学生産工学部や跡見女子大での講義も毎週バタバタしていましたが、僕自身楽しくやれました。
個人的に思い入れの深い仕事は、『neoneo』での佐々木俊尚さんとの対談と、何と言っても、今年生誕110年の小津安二郎の『ユリイカ』での特集に寄稿したこと。ほかにも、いろいろとありましたが、とにかく今年はあっという間でした。あとは就職さえできれば文句ないのですが(笑)、来年も引き続き頑張ります。
みなさま、来年もよろしくお願いします。

そして、年頭のイベント出演の告知。
ついに、ゲンロンカフェに出演します。1月10日(金)に、さやかわさん、ふみふみこさんとジブリ映画のトークをやります。
予約はこちらから⇒http://peatix.com/event/25418

さやわか式☆現代文化論 第3回「ジブリアニメを語り尽くす!――「ナウシカ」から「かぐや姫」まで」登壇者:さやわか×渡邉大輔(映画史研究者・批評家) ×ふみふみこ(漫画家)

当日券は2500円 (+1ドリンク代500円)です。

ゲンロン友の会または学生証のご提示で2000円(+1ドリンク代500円)になります。

【イベント概要】

さやわか、渡邉大輔による徹底的なジブリ語り!
ナウシカ」から「かぐや姫」まで、そして宮崎駿高畑勲についての圧倒的考察が展開される!
漫画家のふみふみこ氏によるライブペインティング企画もあり!!

ナウシカ紅の豚ラピュタもののけ姫、ポニョ、千と千尋、トトロ、魔女宅、耳をすませばハウル風立ちぬ火垂るの墓巨神兵、そしてかぐや姫……。
人気も品質も、共に邦画としてトップクラスを誇るジブリアニメ。

だが、誰もが観るものになったからこそなのか、その立場は今日的なポップカルチャーとしてのアニメからも、伝統的な邦画からも遊離しているように感じられる。2013年公開のドキュメンタリー「夢と狂気の王国」の題名にも、人々が敬して遠ざける、孤高のジブリ像が浮かび上がっている。

だが、私たちはそれを曖昧に放置するのではなく、様々な角度からその魅力、あるいは問題系を捉える言葉を求めるべきなのではないか?

過去から現在までを通して、また宮崎駿高畑勲という作家論だけに留まらずに、徹底的に力を注いでジブリを語ること。あるいは、なぜジブリはいわゆるオタク文脈を離れて流行のように消費されるようになったか、それ自体を問うこと。日本の現在地はそこから見えてくるのではないか。

そうした視点を踏まえた上で、物語評論家でありライターとしても様々な知見を持つさやわかと、『イメージの進行形』の著者として映画批評で活躍する渡邉が繰り広げる縦横無尽のジブリ批評がここにある!
そしてジブリの大ファンであり、かつてはジブリキャラの二次創作イラストもたしなんだという漫画家・ふみふみこも、思いの丈をライブペインティング&トークで炸裂させる!

メジャー性を獲得しながらも、なぜか1つの像として結ばることの少ないジブリ。ゲンロンカフェで言葉を交わして、新しいジブリの姿を見出そう!
ジブリファンも、いまいち魅力が分からないという方も、トークの熱量でジブリに関する見方が変わること必至!

【登壇者プロフィール】
さやわか
ライター、物語評論家。1974年、北海道生まれ。『クイック・ジャパン』『ユリイカ』などで執筆。関心領域は物語性を見いだせるもの全般で、小説、漫画、アニメ、音楽、映画、演劇、ネットなどのカルチャーを幅広く評論する。現在『朝日新聞』『ゲームラボ』等で連載中。星海社のウェブサイト『最前線』内で投稿コーナー『さやわかの星海社レビュアー騎士団』も運営している。単著に『僕たちのゲーム史』『AKB商法とは何だったのか』がある。
TwitterのIDは@someru。

渡邉大輔
映画史研究者・批評家。1982年生まれ。現在、日本大学芸術学部跡見学園女子大学ほか非常勤講師。専攻は日本映画史・映画学。著作に『イメージの進行形』(人文書院)、共著に『ゼロ年代+の映画』(河出書房新社 )『日本映画の誕生』(森話社)『ソーシャル・ドキュメンタリー』(フィルムアート社)『見えない殺人カード』(講談社文庫)など。近刊共著に『アジア映画で<世界>を見る』(作品社)。

ふみふみこ
漫画家。1982年生まれ奈良県出身。西島大介のひらめき☆マンガ学校の卒業生で弟子。
徳間書店コミックリュウで『ぼくらのへんたい』、講談社Kiss+で『人工精霊タルパちゃん』、秋田書店Championタップ!で『さくらの園』連載中。
既刊に『女の穴』『さきくさの咲く頃』『めめんと森』等。
ジブリのイラストを描いているうちに漫画家を目指し始めたくらいのジブリファン。
twitterID:@fumifumiko23235



というわけで、来年もどうぞよろしくお願いします!
よいお年を!