初単著『イメージの進行形――ソーシャル時代の映画と映像文化』(人文書院)出します。


渡邉大輔です。
もうご存じのかたもたくさんいるので、しつこくリマインドも兼ねてですが、初の単著『イメージの進行形――ソーシャル時代の映画と映像文化』を人文書院さんから刊行します。よろしくお願いいたします。

イメージの進行形: ソーシャル時代の映画と映像文化

イメージの進行形: ソーシャル時代の映画と映像文化

当初の予定では年末ギリギリの26日発売とのことでしたが、都内主要書店ではあさっての21日には店頭に並ぶようです。



僕はすでに手にしており、ぼちぼち献本も始めております。先日は博士課程時代の指導教授の岩本憲児先生にも手渡しました…。研究の傍ら、文筆業にかまけていた、実に不肖の学生でしたので、緊張というか冷や汗をかきながらお渡ししました…。
装幀は、間村俊一氏。僕の希望通りの、白をメインにした、シンプルでスマートな印象のデザインにしていただきました。いい意味で、いかにも「映画の本」っぽくない感じも気に入っています。
とはいえ、帯文には部分的に抵抗があります(笑)。
ブッキッシュな性格の者としては、やはりハードカバーにしたかったというのはありましたが、内容的にも、まるでiPadスマートフォンのように、気軽に持ち運んでなるべくカジュアルな気分で読んでいただければという気持ちでソフトカバーにしました。
値段は税込で、2,415円。
この手の映画の専門書としては破格といってよいほど安いです。価格的にも、これも内容的に年配のかたというより、大学生や20代の若いひとたちにこそ読んでもらいたいと思い、頑張って値段を下げていただきました。
本の目次や概要はこちら。

はじめに

第Ⅰ部 環境分析
第一章 「映像圏」の誕生
 1 ソーシャル時代のイメージ文化
 2 多重現実化する現代映画
 3 「コミュニケーション」が生む映像美
第二章 「からだ」が/で見るヴィジュアルカルチャー
 1 身体化/ゲーム化する現代の映像
 2 立体視モデルと生理学的な視覚

第Ⅱ部 歴史
第三章 映像圏の映画/映像史
 1 映像圏の考古学――環境
 2 映像圏の考古学――身体
 3 ハリウッド映画と映像圏
 4 映像圏の批評史

第Ⅲ部 作品論/メディア分析
第四章 作品論――映像圏作家を読む
 1 ウェルズ
 2 岩井俊二
第五章 メディア分析――映像圏のなかのTwitter
 1 「幽霊」と戯れるツール
 2 現=潜勢性のユートピー
 3 映像圏のポジティヴィティ

第Ⅳ部 社会論
第六章 映像圏の「公共性」へ――「災後」社会の映画/映像論
 1 フィルムレス時代の公共性
 2 ポスト震災時代の映像文化

おわりに


映像圏を知るためのキーワード20
あとがき
索引

ゼロ年代批評の到達点にして、新たなる出発点

ネットを介して流れる無数の映像群と、ソーシャルネットワークによる絶え間ないコミュニケーションが変える「映画」と社会。「表層批評」(蓮實重彦)を越えて、9.11/3.11以後の映像=社会批評を更新する画期的成果、待望の書籍化。

ウェルズから「踊ってみた」まで、カントから「きっかけはYOU!」まで

「今日のグローバル資本主義ソーシャル・ネットワーキングの巨大な社会的影響を踏まえた、これまでにはない新たな「映画(的なもの)」の輪郭を、映画史および視覚文化史、あるいは批評的言説を縦横に参照しながらいかに見出すか――それが、本書全体を貫く大きな試みだったといってよい。つまり、筆者が仮に「映像圏Imagosphere」と名づける、その新たな文化的な地平での映像に対する有力な「合理化」のあり方を、主に「コミュニケーション」(冗長性)と「情動」(観客身体)というふたつの要素に着目しつつ具体的な検討を試みてきたわけである。」(本書より)

という感じです。
もっといろいろ書いて紹介したほうがいいのだと思いますが、先日のustで2時間近く喋ったし(笑)、また来年以降、いろいろイベントなどもやっていきたいと思っていますので、とにかく、関心もたれたかたは、ぜひご高覧ください。
あと、一緒にイベントなどやっていただけるかたや書店さんも、随時募集中です!
本を読まれて、興味もたれたかたはぜひぜひ、僕か人文書院さんまでご連絡ください。
よろしくお願いいたします。
もうすぐ今年も終わりですが、風邪などひきませんよう。ではでは。