岩井俊二監督インタビュー&『花とアリス』論&岩井俊二主要作品ガイド@『ユリイカ』


渡邉大輔です。残暑が厳しくてめげそうです。
今日(27日)発売の『ユリイカ』9月号(特集:岩井俊二)で、岩井監督へのインタビューと、作品論(『花とアリス』論)、そして、『ベストセラー・ライトノベルのしくみ』(青土社)の著者でライターの飯田一史さんと、SF・文芸評論家の藤田直哉さんと共同で巻末の岩井監督主要作品ガイドを担当しています。

・インタビュー「想像力を解放するものとしての<映画>」
・論考「記憶喪失、分身、嘘 『花とアリス』から見る現代映画」
・資料「岩井俊二主要作品ガイド」(飯田一史、藤田直哉との共同執筆)(以上、『ユリイカ』9月号、青土社

以下が目次。

ユリイカ 2012年9月号』 

■人生に関する断章*9
  国語辞書について / 中村稔
■夢遊する読書*17
  少年文学の生と死 / 横尾忠則
破局論*5
  クラムの城 / 飯島洋一
■詩
  モ ヲ ニ ン グ リ ン グ / 藤原安紀子

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特集*岩井俊二 『Love Letter』『スワロウテイル』『リリイ・シュシュのすべて』から『ヴァンパイア』へ、未知なる映像を求めて

【創作の現場から】
両極のあいだの浮遊感 『ヴァンパイア』の根底にあるもの / 岩井俊二奈良美智

【未知なる存在、未知なる映画】
ブランクの真相 小説『ヴァンパイア』誕生まで / 岩井俊二
死を通して生を見つめる映画 / 清水康之
いかにしてヴァンパイアは滅びたか / 斎藤環
孵化する少女たち / 寺村摩耶子

【監督&女優インタビュー】
想像力を解放するものとしての〈映画〉 / 岩井俊二 (聞き手=渡邉大輔)
わたしの不思議な“叔父さん” 監督として、人間として / 蒼井優 (聞き手=さやわか)

岩井俊二とは何者か】
岩井俊二作品における印象の重ね書き / 石岡良治
岩井俊二を生み出した環境 / 大根仁
つくり手を起点とした映画のために プロデューサーとしての岩井俊二 / 木村立哉

岩井俊二を観た子どもたちから】
かれの、ピント。ぼくの、ぴんと。 / 藤田貴大
乙女たち花を散らし楽を奏で、香を薫じる / 暁方ミセイ

岩井俊二クロニクル】
アイドルという空虚 『undo』と一九九〇年代 / 石川義正
打ち上げ花火を、今なお、どう見るべきか / さやわか
『Love Letter』のゆくえ 岩井俊二作品における〈少女/少女マンガ的なもの〉を通して / 河野聡子
トビヤマのように「孤独」 『FRIED DRAGON FISH』の残余に / 越川道夫
ピクニックに出かけられなかった人たちのために 病・解放・フィクション / 坂上秋成
「子供のロマン主義」とその彼方 / 福嶋亮大
「生きていた信長」と『四月物語』 / 藤田直哉
リリイ・シュシュ、映画の主体の脱構築 / 横田創
記憶喪失、分身、嘘 『花とアリス』から見る現代映画 / 渡邉大輔

【資料】
岩井俊二主要作品ガイド / 飯田一史・藤田直哉・渡邉大輔

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■特別掲載
岩手で、宮城で、福島で賢治を待ちながら 朗読劇『銀河鉄道の夜』をめぐって / 
柴田元幸管啓次郎古川日出男和合亮一

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■今月の作品
  小池麻央・柏原 寛・鯨岡雄治・板垣憲司 / 選=小池昌代
■われ発見せり
  言語の病理の行方 / 松本卓也


ユリイカ』への登場は、前号のクリストファー・ノーラン特集から2号続けてですが、論考寄稿は、昨年末のタンタンの冒険特集以来になります。インタビュー、論考、作品ガイドを一手に手掛けたのは、2010年春のポン・ジュノ特集以来、2年ぶりですね。岩井監督も非常に鷹揚なかたで、僕自身にとっても非常に充実したお仕事をさせて頂きました。
インタビューの仕事はもっとやりたいですね。もしこれ読んでる編集者のかたなどいらっしゃれば、よければぜひ(笑)。

9月15日から、渋谷のシネマライズなどで、『花とアリス』以来実に8年ぶりとなる新作『ヴァンパイア』が公開されます。
こちらもぜひ。