ポン・ジュノ余話


渡邉です。

・最近、アミコラのCMの藤原紀香がたまらなく笑える(特に、「どんだけ好きなん」のところ)。
・あと、いま『Pen』が水木しげる特集をやっていますね。小学生の頃に『のんのんばあとオレ』が愛読書だった(NHKのドラマも観ていた)隠れ水木ファンとしてはうれしい限りです。『ゲゲゲの女房』も面白いらしいですが、あまり観れてません…。ちなみに、僕のお気に入りは『河童の三平』と『猫楠』。短編だと、『奇人怪人大図鑑』(ちくま文庫)に入っている自伝的作品「落第王」が好きです。

さて、現在、発売中の『ユリイカポン・ジュノ特集ですが、僕が寄稿した論文(「ハイブリッドな国の擬似ドキュメンタリー作家」)の中に、誤植をいくつか発見したので、お知らせします。
・174頁10行目「慮風(ロプン)」⇒「慮風(ノプン)」
・176頁11行目「…には露呈していない。これまでに敷衍してきた…」⇒「…には露呈していない、これまでに敷衍してきた…」
・178頁1行目「受け継いだ作表だと思う」⇒「受け継いだ作家だと思う」

とりあえず見つけたものだけ。読者のみなさんの目を煩わせてすみませんです。
後の二箇所はゲラの段階で加筆した部分で、ひとえに僕の字が読みにくいのが原因です。すみません>編集部のみなさま

さて、今回のポン・ジュノ特集について。
忘れないうちに記しておきたいのですが、今回の論考を書くにあたっては、現代韓国文化の現状について、本誌にも論考と翻訳を寄稿している漫画コラムニストの宣政佑氏に大変貴重なご教示をいただきました。
諸般の都合で、本誌の原稿には宣さんへの謝辞を付記できなかったので、僭越ながらここに記させていただきたいと思います。
宣さんとは、それまで一度も面識がなかったのですが、僕のぶしつけなメールに非常に丁寧な返事を送ってくださり、とても恐縮致しました。この度はありがとうございました!>宣さま
また、今回は飯田一史氏と前田毅氏にもお世話になりました。重ねて記して感謝します。

また、冒頭のインタビューですが、僕としては非常に楽しく、またいろいろな意味で啓発的なインタビューとなりました。それはひとえに山本編集長と韓国語の通訳をしていただいた延智美氏のおかげなのですが、何より、ポン・ジュノ監督のきわめて聡明な受け答えによると思います。正直、僕の拙い質問に対して、トランスレイトを介してでありながら、当意即妙にすぐさま実に的確な答えを返してくるポン監督の頭の回転の速さには圧倒されました。聡明な作家と話すといつも思うのですが、ドナルド・デイヴィドソンのいう「善意の法則」を、ここでも実感した次第です。
ちなみに、通訳の延さんは、何と延世大学時代のポン監督の同級生だったとのこと!その後、数多くの撮影現場でスタッフの通訳を担当したとのことで、ポン監督とは非常に親しい間柄の方でした。だからこそ、あのようにスムースなインタビューになったのかもしれません。
延さんには、『Shaking Tokyo』撮影時のポン監督と香川照之さんとの何とも興味深いエピソードなども伺いました。

ともあれ、そんな『ユリイカ』のポン・ジュノ特集は埋め草のない、充実した内容になっていると思います。
また、巻末にある圧巻の『QF』特集も必読。
GWのお伴に、よければ、ぜひぜひ。