トークイベント「ソーシャル・シネマ――311以後の映画のために」@オーディトリウム渋谷


渡邉大輔です。
来週の3月7日(木)の夜に、映画上映&トークプロジェクトvol.9(3月2日〜8日)のなかで、イベント実行委員会代表で映画研究者・映画批評家の三浦哲哉さんと、映画批評家で『neoneo』編集主幹の萩野亮さんとトークします。
トーク前に、フレデリック・ワイズマン監督『メイン州ベルファスト』(1999年)の上映があります。
以下、イベントの概要です。

Image.Fukushima vol.9<映画と紡ぐ、春の七夜>
イメージ.フクシマ
IN 東京│オーディトリウム渋谷

開催日時:2013年3月2日(土)〜8日(金)
会場:オーディトリウム渋谷
主催:Image.Fukushima実行委員会
共催:オーディトリウム渋谷/東風/シネモンド
協力:PROJECT FUKUSHIMA!/東宝RKB毎日放送東海テレビ放送南海放送/ウッキープロダクション/日本テレビ福島中央テレビ太秦/シグロ/パンドラ/一般社団法人コミュニティシネマセンター/サイレントヴォイス/日本ドキュメントフィルム/空族

 Image.Fukushimaは「福島」について、「福島以後」の未来についての「知見」を交換し、「イメージ」を分かち合う、そのような場を作るための映画上映&トークプロジェクトです。震災の後、おもに福島・東京・金沢の三都市で映画好きが集まって運営してきました。
 今回は東京のオーディトリウム渋谷を会場に「紡ぐ」をテーマに開催いたします。
 震災と原発事故によって綻びや分断がもたらされましたが、それを乗り越えようとするさまざまな実験や運動が芽吹き、あたらしい関係もまた紡がれようとしています。
 七日間、それぞれの分野で「紡ぐ」活動に関わってきた方々をトークゲストとして招き、いま必見の映画上映と併せて、お話しを伺います。みなさまのご参加をお待ちします。

[上映スケジュール]

3月2日(土)
16:30〜18:00
『project FUKUSHIMA!』(90分)
入替
18:20〜19:56
『百万人の大合唱』(96分)
20:00〜20:55
トーク「紡ぎはじめる福島」
大友良英(音楽家・PROJECT FUKUSHIMA!代表)×丹治宏大(市民放射能測定所)

≫≫ 「311」後、厳しい試練の場となった福島では、同時に、さまざまな新しい動きやつながりが生まれている。そのひとつの拠点となったカフェ・ギャラリー「風と木」店長の丹治宏大、福島で起きた運動の中で最も実験的で最もめざましい成果をあげた「PROJECT FUKUSHIMA!」の発起人・大友良英を招き、“福島から生まれつつあるもの”について語り合う。(実行委員・三浦)

3月3日(日)
16:30〜18:10
苦海浄土』(49分)+『あやまち』(49分)
入替
18:20〜19:43
放射線を浴びた[X年後]』(83分)
19:45〜20:55
座談会「地方から発信する ローカルテレビ局の挑戦」
阿武野勝彦(東海テレビ放送)×日笠昭彦(日本テレビ)×村上雅信(福島中央テレビ
司会:舞木千尋(Image.Fukushima実行委員/桜映画社)

≫≫ 今、地方発のドキュメンタリー番組が面白い。中央偏重のジャーナリズムに風穴を開けるこれら作品は、ここ数年、次々とテレビ放映の枠を超え、劇場のスクリーンであらたな輝きを放っている。この潮流を牽引してきた仕掛け人、プロデューサー、地域に密着し現場の最前線に立つ制作者など、いま最も注目すべきキーパーソン4人に話を伺います。(実行委員・舞木

3月4日(月)
16:30〜17:50
長良川ド根性』(80分)
入替
18:20〜19:43
阿賀に生きる』(115分)
19:45〜20:55
トーク「水の流れと風から考える」
内山節(哲学者)
聞き手:中村聖子(Image.Fukushima金沢事務局長/シネモンド)

≫≫ 例えば、自然とは何か? 科学とは何か? 震災を経験してから、それまで自明だった何かがずいぶん心もとなく感じてしまう。そんな方も多いのではないでしょうか。私たちの社会はどのような未来へ歩を進めるのか。そして、そのために、どのような思想・哲学が必要か。2本の映画を糸口に、哲学者・内山節さんと語らい、ともに考える場を作りたいと思います。(実行委員・渡辺)

3月5日(火)
16:50〜18:50
『うたうひと』(120分)[特別先行上映]
入替
19:10〜19:55
原発切抜帖』(45分)
20:00〜20:55
トーク「311後のアンガージュマン
國分功一郎(哲学者)×田口卓臣(文学・思想研究)

≫≫ 原発事故がもたらした分断と不透明な状況。民主主義の行き詰まり。アンガージュマン(社会参加)はそれでもなお可能なのか。明晰な「俺語り」で圧倒的な支持を集める哲学者・國分功一郎と、ダイナミックな語り口で近代人の「生」を根源的に再考する気鋭のディドロ研究者・田口卓臣のふたりに聞く。(実行委員・三浦)

3月6日(水)
17:00〜18:40
『百万人の大合唱』(96分)
入替
19:00〜20:00
『100人の子供たちが列車を待っている』(58分)
20:00〜20:55
座談会「映画が作るコミュニティ」
阿部泰宏(フォーラム福島)×土肥悦子(シネモンド)×中野香(川崎市アートセンター

≫≫ 「文化」──「映画」になにができるか? 震災後にわかったのは、「場所」──「映画館」があることのかけがえのなさだった。ひとが集まり、同じ時間を分かち合い、対話を交わす、その容れ物としての映画館。福島で、金沢で、川崎でそのような「場所」を育んできた三人を招き、「映画」と「コミュニティ」について聞く。(実行委員・三浦)

3月7日(木)
16:00〜20:20
メイン州ベルファスト』(248分、途中10分間の休憩)
20:20〜20:55
トーク「ソーシャル・シネマ──311以後の映画のために」
渡邉大輔(映画批評・研究)×萩野亮(映画批評、編集)×三浦哲哉(映画批評・研究)

≫≫ 『イメージの進行形』で映画批評の更新を目論んだ気鋭の批評家・渡邉大輔と、編著書『ソーシャル・ドキュメンタリー』で日本のドキュメンタリー映画をめぐる風景の一新を試みた萩野亮。イメージ福島実行委員会代表の三浦哲哉が加わり、「ソーシャル」をキーワードに、映画批評の新しい動きについて討論する。(実行委員・三浦)

3月8日(金)
16:45〜17:45
『流血の記録 砂川』(54分)
入替
18:00〜19:35
花物語バビロン』(45分)+『バビロン2-THE OZAWA-』(46分)
19:45〜20:55
島崎奈央(キネマ旬報編集部)×結城秀勇(nobody編集部)×萩野亮(neoneo編集主幹)×三浦哲哉(Image.Fukushima代表/映画批評)×岩田和明(映画秘宝編集長※ビデオメッセージでの参加)
司会:渡辺祐一(Image.Fukushima東京事務局長/東風)

≫≫ 東日本大地震発生以降、ドキュメンタリー、フィクションを問わず数多くの映画が製作され、公開されています。そこで、映画雑誌の編集に携わる比較的若い方々を招き、各誌の取り組みについてお話を伺います。それは、それぞれのやり方で「こんなとき」の映画の力を信じ、その可能性を模索するお仕事だったのではないでしょうか。今回のImage.Fukushima最終夜はじっくりと映画の話で。(実行委員・渡辺)

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[会場]

オーディトリウム渋谷
150-0044 東京都渋谷区円山町1−5 KINOHAUS2F
TEL:03-6809-0538 
http://www.a-shibuya.jp/

公式サイトはこちら⇒Image.Fukushima | イメージ フクシマ

イメージ福島を主宰されている三浦哲哉さんとは、『ユリイカ』のイーストウッド特集でお仕事をさせていただいたり、僕の共著『サブカルチャー戦争』や昨年の三浦さんの初単著『サスペンス映画史』刊行のさいにもシンポジウムや対談をさせていただいたり、ここ数年お世話になっています。かたや萩野さんとも昨年は『ソーシャル・ドキュメンタリー』などでご一緒しました。

萩野亮|はぎの・りょう

1982年生まれ。映画批評。ドキュメンタリーカルチャーマガジン「neoneo」編集主幹。編著書に『ソーシャル・ドキュメンタリー 現代日本を記録する映像たち』。

ソーシャル・ドキュメンタリー ──現代日本を記録する映像たち (CineSophia)

ソーシャル・ドキュメンタリー ──現代日本を記録する映像たち (CineSophia)

三浦哲哉|みうら・てつや

1976年、福島県郡山市生まれ。映画研究/表象文化論。著書に『サスペンス映画史』。Image.Fukushima実行委員会代表。

サスペンス映画史

サスペンス映画史

三浦さん、萩野さんとも僕と同世代の映画批評家としてはもっとも注目されている俊英で、いちおう「映画批評家」を名乗ることもある僕としては、今後、映画について考えていくときにとても心強いというか、つねに刺激を受け取っているおふたりです。
7日はそんなおふたりとワイズマンや、「ポスト3・11」の映画批評について、短い時間ですが、語り合いたいと思っています。
ぜひともご来場いただければありがたいです。
よろしくお願いいたします。