11/15トークイベント「攻殻から考えるゼロ年代」@日本大学芸術学部美術学科ほかもろもろ告知


渡邉大輔です。もろもろ五月雨式に告知です。

まず、来週の11月15日(木曜日)に、非常勤講師を務める日本大学芸術学部にて美術学科の学生さんが企画するトークイベントにゲストとして出演します。一緒に登壇するのは、同じ日芸の美術学科で教えてらっしゃる彫刻家の冨井大裕先生と、美術評論家の粟田大輔先生です。
トークイベント「攻殻から考えるゼロ年代
日時:11月15日(木)18時15分〜
会場:日本大学芸術学部江古田校舎EB−2
出演:粟田大輔、冨井大裕、渡邉大輔
以下、主催の学生さんによる概要です。

トークテーマ概要

89年に出版されたコミック版、95年に上映されたアニメ版、どちらも爆発的なインターネットの普及を前にして、そのネットワーク社会をいわば予言的に描いた「攻殻機動隊」であるが、今回のトークイベントではその攻殻機動隊ゼロ年代※1を対比することによってそれぞれの共通性や違いを見いだしたいと思う。コミック版やアニメ版ではネットワークが浸透した社会は描いているが、どのように人々がネットワークを体験し活用しているかは抽象的に表している様に思える。劇場版のラストでは草薙素子が広大なネットと融合できたことにより様々な情報を知ることができるようになるが、それは何もフィクションの中のできごとではないと僕は思う。僕たちはいついかなる時でもインターネットにより(ある程度制限はされているが)情報を得ることが出来るようになった。グーグルを使うことによって僕はどんな情報も知ることができるようになったし、SNS、pixiv、deviantARTyoutubeニコニコ動画…etcを使用することによってどんな表現も発信できるようになった。だが僕は何を検索すればいいのか分からないし、何を発信すればいいのか分
からない。士郎正宗押井守もネットワーク社会は予言したが、そこから先人々が何をするかは漠然と描くに終わっている。
その押井守士郎正宗も描けなかった世界、草薙素子が劇中最後に見た景色を、ゼロ年代という現実を参照しつつ今回のトークイベントで探っていき、創造して※2いきたいと思う。また視点を完全に逆転させ、80年代、90年代から想像していたネットワーク社会と我々が直面しているネットワーク社会を対比させてみるのも面白いかもしれない。

※1ここで言うゼロ年代とはインターネットが一般市民にも浸透し、ありふれた存在となり、様々なネットコンテンツが誕生した時代のことを指す。
※2創造とは劇中のその後を二次製作的に考えるのではなくて、まさに我々が生きている社会のその後を考えるということ。

タイトル通り、押井守監督の『攻殻機動隊 GHOST IN THE SHELL』(95年)を鑑賞しつつ、「ゼロ年代」について考えるというイベントです。たぶん、残念ですが、日芸の学生さん以外は参加できないのではないかと思います。

僕はまだ確認できていないのですが、東京・神田の東京堂書店さんの3階にて、現在、映画批評家・三浦哲哉さんの『サスペンス映画史』の刊行記念フェアが行われています。そこで、三浦さんとともに、それぞれ10冊ずつ『サスペンス映画史』を読むための関連書をセレクトして、一言コメントを書かせていただきました。神田にお立ち寄りの際には、ぜひご覧ください。

サスペンス映画史

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そして、僕の初の単著となる『イメージの進行形――ソーシャル時代の映画と映像文化』(人文書院)の予約が、Amazon.comで始まりました!

イメージの進行形: ソーシャル時代の映画と映像文化

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かなり年末の刊行になり、年末年始は印刷所も止まってしまいますし、書店の在庫もこの時期はすぐに注文してくるという感じでもないので、早めに、確実に入手したい方は、予約購入されるほうがいいかもしれません。
版元の人文書院さんのホームページの書籍情報はこちら。⇒イメージの進行形 - 株式会社 人文書院
またおいおい宣伝告知していくつもりですが、こちらもよろしくお願いいたします!!