12月の仕事


渡邉大輔です。
もう2014年も残りわずかですが、今月の仕事を告知しておきます。

・書評「KADOKAWAドワンゴの合併に潜む危うさを指摘――大塚英志『メディアミックス化する日本』書評」(『週刊金曜日』第1020(12月12日)号、株式会社金曜日)

・書評「レフ・マノヴィッチ著、堀潤之訳『ニューメディアの言語――デジタル時代のアート、デザイン、映画』書評」(『映像学』第93号、日本映像学会)
バックナンバー | 日本映像学会

・エッセイ「映画をつうじた「未来の自分たち」へのエール」(日芸映画祭ワーカーズ2014パンフレット)

・飯田一史、蔓葉信博、藤井義允との座談会「メディアの変容とミステリーについて」(『本格ミステリー・ワールド2015』、南雲堂)

本格ミステリー・ワールド2015

本格ミステリー・ワールド2015

・論考「ディジタル時代の「動物映画」――生態学ゴダール試論」(『ユリイカ』1月号、青土社


以下が目次。

ユリイカ 2015年1月号』 


■人生に関する断章*37
  P・クロポトキン自伝について(その一) / 中村稔

■[[新訳]ステファヌ・マラルメ詩集*新連載]
  乾杯 他四篇 / ステファヌ・マラルメ 訳=柏倉康夫

■詩
  射手座から見てうぶすながみ座の方角 他一篇 / 貝又臣

■耳目抄*327
  情の監視 / 竹西寛子

■屋根裏の私の小さな部屋♪10
  鳥の世話(後編) / 大庭賢哉




ゴダール2015   

【インタビュー】
シネマ、それは現実を忘れること / ジャン=リュック・ゴダール 聞き手=フィリップ・ダジェン+フランク・ヌーシ 訳=吉田広明


【対談】
社会撹乱者としてのゴダール 『さらば、愛の言葉よ』をめぐって / 蓮實重彦阿部和重


【視覚的好奇心へと】
ドッグ・スター・マン / 四方田犬彦
ゼロの光景 『さらば、愛の言葉よ』と3D / 鈴木一誌
さらば、光よ / 牧野貴


【撮影日記】
ゴダールを待ちながら / ゾエ・ブリュノー 訳=長野 督 解説=堀 潤之


【『さらば、愛の言葉よ』の革新】
2+2×3D 『さらば、愛の言葉よ』のナラティヴ構造 / デヴィッド・ボードウェル 訳=滝浪佑紀+堀 潤之
ゴダールのデジタル革命と動物のまなざし 『さらば、愛の言葉よ』の3D映像をめぐって / 堀 潤之
『さらば言語よ』についての4つのノート / 平倉圭
ディジタル時代の「動物映画」 生態学ゴダール試論 / 渡邉大輔


【イラスト/エッセイ】
それはあなたの自由 / 大崎清夏
ゴダールはずるい / 松江哲明
ことばのあやとり / やくしまるえつこ


【映画はいつから始まるのか】
ほとんど無限の対話 『さらば、愛の言葉よ』について / アルチュール・マス+マルシアル・ピザニ 訳=堀 潤之
ゴダールの映画史』以後、ゴダールからそれながら、音とことばと (とても私的なメモ) / 小沼純一
ジャン=リュック・ゴダール氏と彼のソニマージュ / 佐々木敦


【JLGを奏でる】
触発する映画 ヴェイユからゴダールへ / 今村純子
ゴダールの〈建築空間》の撹乱〉 / 小澤京子


【資料】
二一世紀のゴダール・フィルモグラフィ / 堀 潤之



■われ発見せり
  「了」という名の襤褸の少女 / 高山羽根子

口頭発表「1950年代日本の年少観客の映画受容をめぐる出版メディア文化との比較――「教育」と「消費」のあいだで」(日本映像学会第35回映画文献資料研究会、於・日本大学藝術学部江古田校舎E-204、12月20日

日藝映画学科3年生企画映画祭開催のお知らせ&11月の仕事


渡邉大輔です。
年末進行で余裕がないので、すいませんが、かんたんに。

12月13日(土)から19日(金)までの1週間、渋谷のユーロスペースにて、<ワーカーズ2014>という映画祭が開催されます。

この映画祭は、2012年から始まった、日本大学藝術学部映画学科の3年生「映画ビジネス」ゼミの現役学生のみなさんが主体となって開催している自主映画祭の4回目です。

公式サイトはこちら⇒http://workers2014.com/
公式Twitterアカウントはこちら⇒https://twitter.com/nichige_eigasai
公式サイトの概要。

今年で4回目を迎える日藝生企画の映画祭。テーマは”働くということについて考える”。
 みなさんは”プレカリアート”という言葉をご存知でしょうか? フリーターや、パート、アルバイト、契約社員、派遣日雇い労働者、移住労働者、ニート、貧困に苦しむ自営業、農業者などの総称で90年代以降に使われるようになりました。近年の日本の労働環境の劣悪さはよく耳にしますが、特に”プレカリアート”をめぐる問題は目立つようになってきています。そんな現状は決して他人事ではありません。そういった色々な問題が取り巻く中で、私たちはなぜ働くのか?
きっと働くようになったら考える暇もなくなってしまう。学生の今だからこそ、そして、そんな私たちと一緒にもう一度”働く”ということについて考え直してみませんか?

今年も面白そうです。学生たちも頑張っています。
わたしは、今回はじめて制作された映画祭パンフレットに短いエッセイを寄稿しています。
よろしくお願いいたします。

そして、ついでに11月に出たお仕事。

まず、3月下旬にアップリンク渋谷でやった七里圭さんと吉田広明さんとの鼎談企画が活字化されました。
ウェブで記事にもなっています。⇒ソーシャル化で映画の作り方や見方は変わるのか?七里圭監督の実験的試行|連続講座「映画以内、映画以後、映画辺境」第2期+『映画としての音楽』記録映像初上映 - 骰子の眼 - webDICE
書評は以下です。
・「「ポスト3・11」の建築を鮮やかに提言――藤村龍至『批判的工学主義の建築』書評」(『週刊金曜日』第1017(11月21日)号、株式会社金曜日)

・「映画体験と思考を根源から問い直す――三浦哲哉『映画とは何か』書評」(『週刊金曜日』第1018(11月28日)号、株式会社金曜日)
映画とは何か: フランス映画思想史 (筑摩選書)

映画とは何か: フランス映画思想史 (筑摩選書)

あと、先月告知した『土瀝青』本に収録されているわたしの『土瀝青』論のテキストが『neoneo』のウェブサイトに公開されました。
こちら⇒【特別寄稿】現代映画と「情報風土」――佐々木友輔『土瀝青 Asphalt』小論 text 渡邉大輔 | neoneo web

もう2014年もあと1ヶ月ですね。次回の更新はおそらく大晦日でしょう…。
よろしくお願いいたします。

10月の仕事


渡邉大輔です。
10月に出た仕事の告知です。

・書評「自由に「女子」を着る時代の到来――米澤泉『「女子」の誕生』書評」(『週刊金曜日』第1010号、株式会社金曜日)

「女子」の誕生

「女子」の誕生

・書評「「負の思想」とされたアジア主義の可能性を明るく照らし出す――中島岳志アジア主義』書評」(『週刊金曜日』第1013号、株式会社金曜日)

アジア主義 ―その先の近代へ

アジア主義 ―その先の近代へ

・論考「コンクリート的知性の可能性――森博嗣の「可塑的」な手触り」(『ユリイカ』11月号、青土社
・「森博嗣主要作品解題」(同上)※飯田一史、蔓葉信博、藤井義允との共同執筆

ユリイカ 2014年11月号』 


■人生に関する断章*35
  イザベラ・バード日本紀行』について(その二) / 中村稔

■夢遊する読書*18
  言葉を離れる / 横尾忠則

■詩
  みのいち / 郄塚謙太郎

■耳目抄*325
  存在感について / 竹西寛子

■特別掲載
  中原中也詩英訳 パネルディスカッション / 伊藤比呂美ジェフリー・アングルスアーサー・ビナード四元康祐



森 博嗣  すべてがFになる』『スカイ・クロラ』から『MORI LOG ACADEMY』まで…クラフトマンの機知

【メールインタビュー】
つくる・かわる・わかる(わからないことが) / 森 博嗣 聞き手=山本貴光


【絵はかたる】
森博嗣さんはラララ科学の子 / 萩尾望都
消去されない まどろむ森さん / 山田章博
ジェットプロポストの頃 / コジマケン
犀川先生が飛んでいく / 浅田寅ヲ
女王回想 / スズキユカ


【私的・史的・嗜的】
森先生について / よしもとばなな
森ミステリ極私感 / 辻 真先
森ぱふぇ」はね、入るとこが違うの / をかべまさゆき
鉄道模型の楽しみ / 平岡幸三


【Hard-core Detective】
探偵(小説)には向かない職業 犀川助教授は密室の謎をいかに解体したのか / 佐藤俊樹
すべてが建築/模型になる 森博嗣〈S&Mシリーズ〉の仮想現実 / 円堂都司昭
瀬在丸紅子と彼女をめぐる人々についての覚え書 / 河野聡子
森博嗣と新たなエンターテインメント / 蔓葉信博


【対談】
作家と創作の境界条件 森博嗣という切断線 / 清涼院流水 杉江松恋


【意識・認識・知識】
自在なヒトを創作する / 池田純
もし世界が森博嗣だったら limM(n), n→∞ / 森山高至
コンクリート的知性の可能性 森博嗣の「可塑的」な手触り / 渡邉大輔
世界の立ち現われ方と優先順位 『喜嶋先生の静かな世界』をめぐって / 春日武彦


【すべてが――】
ノンブルなしの豊穣な世界について / 杉江松恋
僕は自分の躰の中にいない 森博嗣「百年」シリーズ / 佐藤 泉
不死と死のあいだにある「個」と「性」 「スカイ・クロラ」シリーズについて / 古谷利裕
すべてがFである 森博嗣スカイ・クロラ』の文体観察 / 山本貴光
小説の印税で一〇億円以上稼いだあと、森博嗣はエッセイで何を言っているのか。そしてそれ読んで正直どう思ったか / 飯田一史
「超越者としての真賀田四季」と「僕=人類」の位置 (意識の起源‐中枢の起源)=クオリア問題? / 西川アサキ


【Mのプログラム】
森博嗣主要作品解題 / 飯田一史・蔓葉信博・藤井義允・渡邉大輔



■今月の作品
  武田祐子・青木由弥子・栄 圭子・青山律子  選=日和聡子


■われ発見せり
  彼女たちの笑顔 / 渥美喜子

・論考「現代映画と「情報風土」――『土瀝青 Asphalt』小論」(木村裕之、佐々木友輔編『土瀝青――場所が揺らす映画』トポフィル)

土瀝青 場所が揺らす映画

土瀝青 場所が揺らす映画

今年は、マーベル映画、ウェス・アンダーソンシャーロック・ホームズラース・フォン・トリアー森博嗣と、『ユリイカ』には5回も書かせていただきました。
お目に留まれば幸いです。

9月の仕事


渡邉大輔です。
9月にした仕事を五月雨式に。
・書評「ネット時代の「観光客」は村人と旅人の間を往復する――東浩紀『弱いつながり』書評」(『週刊金曜日』第1006号、株式会社金曜日)

弱いつながり 検索ワードを探す旅

弱いつながり 検索ワードを探す旅

・書評「東日本大震災後にも通じる壮大な射程――ジェニファー・ワイゼンフェルド『関東大震災の想像力』書評」(『週刊金曜日』第1007号、株式会社金曜日)
関東大震災の想像力: 災害と復興の視覚文化論

関東大震災の想像力: 災害と復興の視覚文化論

・書評「日本の暗部を撃つ「自立の思想」――笠井潔白井聡『日本劣化論』書評」(『週刊金曜日』第1008号、株式会社金曜日)
日本劣化論 (ちくま新書)

日本劣化論 (ちくま新書)

・書評「「変身の時代」を反映した意欲作――横山悠太『吾輩ハ猫ニナル』書評」(『図書新聞』第3177号、図書新聞
吾輩ハ猫ニナル

吾輩ハ猫ニナル

・論考「ディジタル化/生命化する映画―トリアー、ドグマ95と「ディジタル映像の美学」」(『ユリイカ』10月号、青土社
・「ラース・フォン・トリアー主要フィルモグラフィ」(同上)(萩野亮との共同執筆)

・エッセイ「「愉快」な映像世界――Vine動画がしめす「時代精神」」(「愉快」展パンフレット)
愉快 /荒井伸佳 上之空似 末永史尚 冨井大裕 吉雄介

・コメント『記憶探偵と鍵のかかった少女』公式ウェブサイト
記憶探偵と鍵のかかった少女 | アスミック・エース

9/3CINEPOSIUM#04「アイドルの「よ/みかた」を考える!――2010年代のアイドル・批評・映像」


渡邉大輔です。

9月3日(水)20時から、Ustream無料配信トークイベントの第4回を配信します。

今回のテーマは、ついに「アイドル」です。
もはや2010年代の文化を語るときに欠かせないキーワードとなったアイドル文化ですが、その多様な可能性と魅力を今回もふたりのゲストと語り尽くしてみたいと思います。
ゲストは、初の単著『「アイドル」の読み方』(青弓社)でアイドル論壇注目の論客となったライターの香月孝史さん、そして、東京大学文学部でアイドル文化論を書き、ハードコアなアイドル批評誌『アイドル領域』を主宰するばかりか、最近はパフェ評論家としても活躍中の斧屋さん!

『イメージの進行形』の読者ならば、おわかりの通り、拙著の最後は、斧屋さんの『アイドル領域』に収録されているメイヤンさんのアイドル論を参照してしめくくっているんですね。そして、香月さんと斧屋さんとは『イメージの進行形』刊行直前の確か2012年に池袋で一度お会いしているのです。
非常に楽しかった思い出があるのですが、今回はその延長戦をやるつもりで、お声がけさせていただきました。

詳細は以下です。KINEATTICの公式サイトで情報をご確認ください。
http://www.kineattic.com/cinepo04#info
関連書籍はこちら。

アイドル領域Vol.6

アイドル領域Vol.6

アイドル領域Vol.5

アイドル領域Vol.5

ソシゴトvol.3 特集:AKBに希望はあるのか

ソシゴトvol.3 特集:AKBに希望はあるのか

イメージの進行形: ソーシャル時代の映画と映像文化

イメージの進行形: ソーシャル時代の映画と映像文化

 「アイドル」はいまや、2010年代の文化と社会を真剣に考えるうえでの共通キーワードとして完全に定着したかに見える。アイドル批評の分野でも知られる評論家のさやわかが近著『一〇年代文化論』(星海社新書)で指摘したように、2010年代文化の幕開けを告げるメルクマール的な年となった2007年は、Perfumeが大ブレイクした年にもあたる。つい7、8年ほど前、「アイドルについて語ること」はサブカルやアカデミズムの現場ではほとんどリアリティを持たなかったが(前回のさやわかの発言)、いまでは、「AKB48」の国民的盛り上がりはもちろん、東大の教員がももクロについての話題書を出版し、当代きっての若手言論人がアイドルグループのプロデュースを手掛けるまでに圧倒的な支持と認知を獲得した。
 一方で、そうしたアイドル文化の隆盛を踏まえて、近年、続々とアイドルについての言説、書物が出揃い、「アイドル」をめぐる批評的言説が文化シーンのなかでかなり体系化されてきた。もはや単に一過性のブームでなく、今日の文化シーンを批評的に捉えるときに、「アイドルを語ること」がかなり有力な指標の一つとなりうることが、多くのひとびとに理解されてきたといってよい。
 あるいは、映画やドラマといった映像の世界でも「アイドル」は有力なモティーフの一つになりつつある。近年のアイドルブームがニコニコ動画Google+といったSNSの台頭と密接に関連していることはつとに指摘されるところだが、「メディア」としてのアイドルは、イメージとして現代の映像文化にも大きな意味を担いつつあるのではないだろうか。
アイドルとは何か? なぜ、こんなにも現代の私たちを惹きつけるのか? いまアイドルについて考えることにはどんな可能性があるのか? アイドルと映像文化の関わりにはどんな意味があるのか?
 今回は、「アイドルと映像」というテーマを一つの軸に、二人のゲストを迎えて、お話を伺う。
 今春、刊行した新著『「アイドル」の読み方』(青弓社)で、混沌とするアイドルに関する批評的言説を鮮やかに整理し、アイドル評論に新風を吹き込んだ気鋭のライター、香月孝史。
 そして、東京大学文学部の卒業論文でアイドル論を執筆、多方面から注目を集めるアイドル批評同人誌『アイドル領域』の主宰者であり、最近はパフェ評論家としても注目を集める斧屋。
 自著『イメージの進行形』(人文書院)でもアイドルに言及し、映像史や文化批評の観点からも、かねてアイドルの面白さに注目してきた渡邉大輔が、注目の語り手を迎えて、「いま、アイドルを語ること/見ること」の可能性と魅力を徹底的に語り尽くす!!

よろしくお願いします。


7月の原稿仕事


7月の原稿の告知です。

・書評「「ポスト動画時代」を照射する鋭い視点――石岡良治『視覚文化「超」講義』書評」(『週刊金曜日』第1000(7月18日)号、株式会社金曜日)

視覚文化「超」講義

視覚文化「超」講義

・論考「情報化時代のミステリと映像――『SHERLOCK』に見るメディア表象の現在」、「『SHERLOCK』全話解題」(『ユリイカ』8月臨時増刊号、青土社

ユリイカ』は3ヵ月連続寄稿となりました。お目にとまれば幸いです。

6月の仕事など


・ゲンロン友の会更新特典で配布される、東浩紀さん編の『ゲンロン通信別冊 ゲンロンサマリーズセレクション25』に、以前、円堂都司昭さんが書いてくださった『イメージの進行形』の要約&レビューが採録されているようです。ありがとうございます!!
http://genroninfo.hatenablog.com/entry/tokuten

週刊金曜日』の書評は以下です。
・「デジタル時代を映す先駆的なメディア論―伊藤守・毛利嘉孝編『アフター・テレビジョン・スタディーズ』書評」(『週刊金曜日』第994号、株式会社金曜日)

アフター・テレビジョン・スタディーズ

アフター・テレビジョン・スタディーズ

・「世界が崩壊する感覚を味わう「女の子たちの物語」―辻村深月『盲目的な恋と友情』書評」(『週刊金曜日』第997号、株式会社金曜日)
盲目的な恋と友情

盲目的な恋と友情